「戻ってきたい」双葉町民の決意

双葉町の住民はいま、わずか201人です。

帰還した双葉町民
「私はもともと双葉町生まれだし、なんとか故郷の復興を具体的にやりたいということで戻ってきた」

帰還した双葉町民
「同級生でも何でもね、親類でもほとんどいないですから。人が少ないとやっぱり町としてね。いろんな商売にしろ、何にしろ成り立っていかないっていうかね」

尾崎世界観さん
「よろしくお願いします」

中谷祥久さん
「はじめまして。ようこそ双葉町へ」

双葉町で生まれ育った、中谷祥久さん(45)。今も、家族でいわき市に避難しています。

中谷さん
「ここが私が活動していた、消防の第2分団の屯所です」

消防団に所属する中谷さんはあの日、町のために一晩中活動しました。

中谷さん
「なんでシャッターがこうなったかというと、これは電動シャッターだったんですよ。震災のときに一時的に停電になりまして、映画みたいに消防車で突き破って出たっていう」

尾崎世界観さん
「それくらい緊急?」

中谷さん
「緊急事態でしたね。時計も2時46分で近辺で止まっているので」

国からの避難指示を受けて、翌日、家族で双葉町を離れました。

中谷さん
「ここですね 。家族7人で住んでいました」

一時帰宅できたのは、およそ半年後。

中谷さん
「3月でひな人形を飾っていて、その時に片付けようかなって思っていても、バラバラになっちゃって、もう全部」

中谷さんはいずれ、この場所に新しい家を建てたいと考えています。

中谷さん
「自分が育ったところはここでしかない。だから自分は戻ってきたい」

戻りたい理由は、もうひとつ。

今年1月、双葉町で行われた「ダルマ市」。無病息災や商売繁盛を願う伝統行事です。中谷さんの姿もありました。

2023年、12年ぶりに町内で復活した「ダルマ市」ですが、規模は縮小しています。

中谷さん
「本当はダルマ市ってここ(自宅前)でやっていた」

尾崎世界観さん
「この通りだったんですか」

中谷さん
「この通りだったんですよ。玄関開ければダルマ市だったので、その感覚がいまだにある」

“ダルマ市を震災前の姿に戻したい”。

中谷さん
「震災で途切れたお祭りはいっぱいあるんですけど、途切れずやってきた唯一のお祭りなので、これはやっていくべきだなって思って」

「やがてはここで戻してやりたいんですね。ここでやって、一番賑やかだった双葉町をちょっとでも取り戻したい」

ただ帰還を望む人は、決して多くありません。復興庁などが行った調査では、町民の半数以上が双葉町に「戻らないと決めている」と答えています。

すでに双葉町に戻っている…3.9%
戻りたいと考えている…14.8%
まだ判断がつかない…24.6%
戻らないと決めている…52.8%(今年1月発表)