「あー、あたし頑張ったんだ」

震災で夫・剛さんを亡くし、子育てには苦労もあったという瑠里子さん。辛いとき、嬉しいとき、いつも自分の部屋にある剛さんの写真に語り掛けてきた。

「ちっちゃいときはワーワーギャーギャー騒いで1日が終わって子どもたちが寝てるじゃないですか。その脇にある夫の写真に『いいね、あんたはね。この辛い思いをしてないんだよ』って文句言ってました。『今日こういうことを見て来たんだよ、いいだろう』って自慢もします」

震災で亡くなった夫・剛さん(当時35)

子どもたちにはこれまで助けてくれた人たちへの感謝を忘れず、いつか恩返しをしてほしい、と伝えているという。瑠里子さんは言う。

「去年かおととし、皇騎も宗馬も見てもらった先生に『本当に山陰兄弟は立派に育ちましたね』って言われたのがすごく嬉しくて。『あー、あたし頑張ったんだ』ってそこで思いましたね」

そんな母をどう思っているのか、息子たちが少し恥ずかしそうに話しはじめた。