大阪府内に住む60代の男性が、警視庁渋谷署の警察官を名乗る男に「マネーロンダリングの疑いがかけられている。身の潔白を証明するためには資産を調査する必要がある」などとウソを言われ、約4億4300万円相当の暗号資産をだまし取られる被害に遭いました。

 大阪府警によると、大阪府下で確認された警察官を騙る特殊詐欺の被害額としては、過去最悪の額だということです。

 男性は1度は“詐欺に遭っている”と見抜いて警察署に相談していましたが、「番号偽装」の手口によって次第に信じ込むようになりました。

▼当初は「詐欺だ」と見抜くも…

 去年9月、男性の自宅の固定電話に、警視庁渋谷署の警察官を名乗る男から「あなたの運転免許証が悪用されているようだ」と電話がありました。

 男性は身に覚えのない話だったため「詐欺だ」と確信。電話を切り、その足で最寄りの警察署へ向かいました。その際、対応した警察官からも「それは詐欺の電話です。かかってきても対応しないでください」と言われ、男性は自宅に戻りました。

▼巧妙な「番号偽装」表示された番号は“本物の警察署”

 しかし、帰宅後に再び警視庁渋谷署の刑事課員を名乗る男から電話が入ります。

 男性が「今、地元の〇〇警察署で話をしてきた。詐欺電話をするな」と言うと、刑事課員を名乗る男は「怪しむなら最寄りの署から電話してもらいます」と告げられたといいます。

 しばらくして固定電話が鳴り、ナンバーディスプレイを確認すると、先ほど男性が相談に訪れた最寄り警察署の電話番号が表示されていました。

 電話に出ると、相手は警察署員を名乗った上で「先ほど警察署で話をした者です。渋谷署の電話は詐欺ではありません。あなたがマネーロンダリングに関わっている可能性があり連絡したようです」と説明。

 男性は、警察署の正しい番号が表示されていることや、内容のつじつまがあっていることから、「本物の警察からの電話だ」と信じたということです。

 その後、男性は警視庁渋谷署の刑事課員を名乗る男から、“捜査のために資産をチェックする必要がある。総資産を暗号資産に換金して送金する必要がある。チェックが終われば必ず返金する”と申し向けられ、アプリを通じて40回にわたり暗号資産約4億4300万円分相当を送金してしまったといいます。

 大阪府警は「警察がSNSでやり取りをしたり、暗号資産への換金や送金を要求することは絶対にない。不審な電話があれば、迷わず何度でも確認してほしい」と、強く注意を呼びかけています。