夏でも足元にはヒーターを…多汗症の理解されない苦しみ

雪の日、多汗症患者の手から湯気が出るのは、気温に関係なく大量の汗が出るからだ。

汗で熱が奪われ、凍えながら汗をかいてしまうという人もいる。

多汗症の当事者を支援するNPOで代表を務める黒澤希さん。40年近く、手足や脇の汗と付き合い続けている。

撮影を行った2025年6月。部屋には冷房が効いていたが、黒澤さんの足もとではヒーターが付いていた。汗をかいた足が極度に冷えてしまうのを防ぐためだという。

NPO法人多汗症サポートグループ代表理事 黒澤希さん
「冷えがひどいですね。夏場も冷えますけど、冬にうちの中にいて、本当にかじかんでこれ(ペン)を持てないので。本当に震えて書けなくなっちゃう」

多汗症の辛さを周囲に伝えることは難しいと、黒澤さんは感じている。

NPO法人多汗症サポートグループ代表理事 黒澤希さん
「汗だから大丈夫だよとか、拭けばいいよとか、皆さん多分自分がかいてる汗のことを想像して言ってくださってるんですね、優しい意味で。私たちってずっとかき続けちゃってる汗なので、分かってもらえてないような悲しい気持ちになってしまう」

多汗症は目に見えづらい疾患であることから「サイレントハンディキャップ」と言われる。命に関わることはないが、日常生活での影響が大きく、QOL(生活の質)を下げる疾患だ。

黒澤さんのNPOでは、多汗症患者の対面での交流会を年に一度開いている。周囲に話せない悩みの相談や情報交換を行っている。

東京から来たという10代の学生。高校生活で傷ついたこともあった。

学生(10代)
「(手が)濡れてたので、気持ち悪いって大声で言われてしまって、それが一番ストレスかな。気にかけてる部分もあるので」

社会人3年目の女性も…

社会人3年目
「気持ち悪いとか、なんで濡れてるのとか言われるんで、それが結構トラウマ。どんどん閉ざしていっちゃう」

多汗症の辛さは、家族に理解してもらうのも難しかったと話す。

社会人3年目
「病院に行きたいと言っても、汗くらいで病院なんて行かないよと言われた」

手の汗に悩む優子さん(仮名・40代)。高校時代の辛い記憶がある。