最近、映画業界で性被害を受けたという被害者の声が相次いで報道されています。今回私たちは被害を訴える女性を取材。その実態と背景について話を聞くことができました。 

■「立場利用され断れず」望まない性行為を強いられる被害者

山本恵里伽キャスター
「こんにちは。よろしくお願いします」

匿名を条件に、私たちの取材に応じてくれたのは、俳優として活動している30代の女性です。まだ学生でデビューしたばかりの頃に業界内の上の立場の男性から性行為を求められたといいます。

性被害を受けた俳優(30代)


性被害を受けた俳優
「飲み会あるから来ない?って言われて…」

山本キャスター
「(加害者)本人から?」

性被害を受けた俳優
「本人からです。『期待してる』『俺が育てる』みたいなものも色々言われすぎて、全く性行為したくなかったけど 『家で飲もう』となって、断れないどうしよう…となって性行為をされてしまった」

断ると今後の仕事に影響するのではないかと恐れ、望まない性行為を強いられたと言います。しかし、この10年ほど「被害を受けた」と声を上げることはできませんでした。

性被害を受けた俳優
「顔の広い方だったので、これっておかしくないですかって言ったら『あいつ使わないで』みたいなことを周りに言いふらされて、仕事がなくなる恐怖がめちゃくちゃあった。性被害を受けた子たちが友達にもたくさんいたこともあり、声を上げても、もみ消されてしまうだろうなって」

それでも今回、取材に応じてくれた理由を聞くと、涙ながらにこう答えました。

性被害を受けた俳優
「今声を上げている人も被害を受けたうちの一握りだと思っていて、大体の人が声を上げることもできない状況になっていると思う。私も知り合いで搾取されてしまった人、4人くらいいるけど、“私はもう忘れたい過去だから頑張ってね”みたいに言われたので、私もダメなことはダメって言って、勇気を持って声を上げてくれたり、ノーと言える人が増えたらいいなと思ってここにいる」