ロシアによるウクライナへの全面侵攻から、あすで4年です。厳しい寒さが続くなか、ロシアはエネルギー施設を狙った攻撃を強めています。「最も寒く、暗い冬」と言われるウクライナの現状です。

ロシアによる軍事侵攻から、あすで4年となるウクライナ。絶え間なく続く攻撃に加え、記録的な寒波に襲われています。

そんななか、人々をさらに苦しめているのが、深刻な電力不足です。

記者
「極寒の中、ウクライナでは電力危機を受けて、こうした避難所が設置されています。暖をとるために人々が集まっていて、子どもたちの姿もあります」

ロシアは去年10月以降、エネルギー施設を狙った攻撃を強めていて、ゼレンスキー大統領は先月、電力の「緊急事態」を宣言。ウクライナ各地では断続的に停電が起き、電気や暖房が使えない時間が続いています。

避難所に来た子ども
「ここでは弟とお茶を飲んだり、友達と遊んだりして過ごすよ」
母親
「これまでで一番つらい冬です。すべてのウクライナ人にとって、きっと」

停電が命に直結する人もいます。

キーウ市内の自宅で横たわる、ペトロさん(87)。重度の肺疾患を抱え、呼吸が困難なため、数時間に1度、酸素濃縮器を使っています。

ところが…

記者
「今まさに停電が起きました」

ペトロさんが暮らす地域では、毎日19時間ほどの停電が続いているといいます。

ペトロさんの娘 タニャさん
「本当は、いま、少しでも酸素吸入できればいいんですが…」

娘のタニャさんは、呼吸が浅くなっていく父をそばで見守ることしかできない苦しみを打ち明けます。

ペトロさんの娘 タニャさん
「『酸素を吸わないと危ない』と分かっているのに、どうすることもできない。寿命が長くないことも分かっていますが、それでも私にとっては大切な父なんです」

空襲警報が鳴っても、移動自体が肺の負担になるため、避難を諦めることもあるといいます。

重度の肺疾患を抱えるペトロさん
「(停電で)エレベーターが動かないので、外に出ることもできない。階段も上がれない。だから、ここで横になっているしかない」

ウクライナ最大の民間電力会社は、市民の日常を壊し、国内に混乱を招くことこそがロシアの狙いだと指摘します。

民間電力会社DTEK復旧局 オレクシー・ポボロツキー局長
「これは軍事施設への攻撃ではなく、人間…民間人・子ども・高齢者への攻撃です。私たちは今、『エネルギー危機』とともに『人道危機』の時代へと入りつつあるのです」

この日も気温はマイナス10℃に達していました。

避難所に来た子ども
「戦争がなかったら、もっと遠足に行きたかった」

ウクライナ市民はいま、「最も寒く、暗い冬」と闘っています。