イスラエル・ネタニヤフ首相が狙う“起死回生”とは?

秌場聖治 元JNN中東支局長:
去年の攻撃の時は、イランが飽和攻撃のようなことを行ってイスラエルの防空システムをくぐり抜け、実際に死傷者も出ましたが、今回の被害の方はどうですか?

JNN中東支局長 増尾聡 記者:
この被害の状況というところですが、まだ見えてきてないところは多くあると思います。ただ、イスラエルはイランのかなり多くの場所を標的として攻撃を行っていまして、最高指導者のハメネイ師だけではなくて、軍事部門の革命防衛隊のトップであったりとか、ハメネイ師の側近の数多くが死亡したというような情報が入ってきています。この作戦の内容としては、極めて成功裡に終わったとアメリカは言うことができると思います。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
ネタニヤフ首相はガザの攻撃をして、その攻撃を防げなかったということで非常に立場が悪くなった中で、ガザへの攻撃を続けてきたと思います。停戦したといっても、亡くなっている方は多いですし人道危機は解消されていないですが、一旦少し落ち着いている。

その状況の中で、もう一度このネタニヤフさんへの責任追及のような動きと、それと今回の攻撃のタイミングというのは、何かしらリンクするものがあるのではないかと勘ぐってしまうのですが、増尾さんはどう思いますか。

JNN中東支局長 増尾聡 記者:
私もそう思いますし、イスラエル国民の中にも、かなりそのような目を向けている、意見を言う人も多くいます。

ネタニヤフ氏は自身の側近による汚職の疑惑などによって裁判を抱えていますし、実際にこの1、2週間の間にも、ネタニヤフ氏自身が出廷しなくてはいけない場面があったんですけれども、「今回イラン情勢が今緊張が高まっているから」ということでネタニヤフ氏はその出廷を断っていたというような状況もあります。

イスラエルとしてはやはりイランの最高指導者を殺害するというのは、長年の目標、目的のようなものがありました。ネタニヤフ首相の思いとしては、やはり自分への疑惑の目を逸らすための軍事作戦というのは、少しでも多ければいいというような、そういった意見を多く聞くことはあります。

そしてもう1つポイントとしては、26年の10月までにはイスラエルで選挙が行われるとされています。

ネタニヤフ首相を巡っては、やはりイスラエルの国民からは、こうした汚職の疑惑であったりとか、またガザのハマスからの奇襲攻撃を許してしまったということでですね、極めて厳しい声が聞こえてきます。今回のこの作戦によって起死回生を狙いたかったという思いは、どこかに必ずあるんだろうと感じています。