モーター大手「ニデック」をめぐる不適切な会計処理の疑い。元社員がMBSの取材に応じ辞任した創業者によるワンマン経営の実態を語りました。

 「不正経理の疑義を巡って世の中を大変お騒がせしていますが、この点、改めてお詫び申し上げます。まさに慚愧の至りであり、潔く自ら身を引くことを決意しました」(永守氏が公表したメッセージ)

 ニデックを一代で世界屈指のモーターメーカーに育て上げた創業者・永守重信氏。2月26日、名誉会長を辞任したと発表しました。

 去年9月、ニデックは社内調査の結果、本体やグループ会社で不適切な会計処理がなされた疑いがあると公表。経営陣が関与していた可能性もあり、現在、第三者委員会が事実関係を調査中です。

 一方、ニデックが1月に公表した「状況報告書」によると、経営の第一線に立ち続けた永守氏による、目標達成への“厳しいプレッシャー”が問題の背景にあったとされています。

 2010年代にニデック(当時日本電産)の経理部門で働いていた男性は、こう話します。

 (ニデック元社員の男性)「神格化されたっていうと言い過ぎかもしれないですけれども、住む世界が異なる別存在だったのかもしれないです」

 創業者・永守氏に意見できる社員はおらず、その教えは社内で徹底されていたといいます。

 (ニデック元社員の男性)「『一番以外はビリだ』とか『脱皮しないヘビは死ぬ』とか。(永守氏の格言が)至るところにあった。永守さん自身が正月の午前中、初詣以外は休まないので、(幹部層も)24時間問わず稼働していたような形なのかなと」

 そんな永守氏が特に重要視していたのが「短期利益の追求」。目標達成は絶対で、徹底したコストカットを求められたといいます。

 (ニデック元社員の男性)「1円りん議という形で、社内で物を買う時は1円からりん議を永守社長に上げる。利益を作ろうと思うと、売り上げを立てるかコストを削減するか。あの会社(ニデック)は、雑巾がほぼカラカラに乾いたような会社だと思う。あとはもう売り上げを伸ばすしかない。そこ(利益)の達成に向けて、ひょっとしたら黒に限りなく近いグレーだったところも、グレーで通さざるを得ない」

 元社員の証言についてニデックに見解を求めましたが、27日、「第三者委員会の調査中につきお答えいたしかねる状況にございます」などと回答するに留めました。

 不適切な会計処理の実態は。そして永守氏ら経営陣の関与は。近く、第三者委員会による報告書が提出される予定です。