◆マギー司郎さん
「今でもそうなんですけど、舞台に出ていくと、結構謝ってるんですよ。『よろしくお願いします、すいません』とか言っちゃうんだよね。この『低姿勢な芸風』は、下積み時代の経験が大きかったんだと思います」
厳しい下積み時代を経て確立した芸ですが、マギー司郎さん自身は「こんな楽な仕事ないなって今でも思ってるんです。だって、舞台は全然疲れないんだもん。楽しいだけ」と断言します。
その理由の一つが、おしゃべりの利点です。「おしゃべりって、すごく融通が利くんですよ。やってて失敗しても、言葉でフォローできるじゃないですか」
一方で、「音楽に『合わせてやる』マジックで失敗すると、もうフォローできない。『失敗』は『失敗』なんです。そうすると今度はお客さんが、『ああ、失敗しちゃってかわいそう』って思っちゃう。笑いにも繋がらない」と、本格的なマジックの大変さを述べます。
「その点、この『おしゃべりマジック』っていうのは、『失敗』も『成功』もあんまり関係ない。抽象的だから、お客さんには分からないじゃないですか〝わざとああいうふうにしたんですか〟って言われるくらい。」と語り、だからこそ、「挫折もね、いいもんなんですよ」と、マギー司郎さんは微笑みます。
さらに、「マジックって、多少手先を使うでしょ。で、『しゃべる』って頭も使うでしょ。だから多分、ボケにくいと思うの。そういう意味では、他のマジシャンにも勧めたいくらいです。20分やるなら5分か10分しゃべったほうが、人生にはプラスじゃないって。」と、健康面でのメリットも挙げ、周囲を笑わせます。
最後に『何歳まで舞台に立ち続けたいか』を尋ねると、マギー司郎さんは「うーん、呼んでいただければどこでも行きますし、呼ばれなくなったら『もういらないんだろうな』って思うだけ。だから、自分で線引きはしたくないっていう感じですかね」
『100歳まで現役』という可能性については、「100までできたら最高ですよね。可能性はありますよね。90ぐらいまでは、なんとか行けちゃいそうだよね」「Mr.マリックさんと一緒にハードな事をやる時もあるんですけど、あれで死ねるのもいいなあって思ったりもします。でもね、しばらく出来そうなのよ、これが。」と、穏やかな笑顔を見せます。
〝完璧〟を目指すのではなく、あえて〝抜け〟を大切にする。
失敗も、挫折も、批判も、すべてを包み込みながら舞台に立ち続ける。
80歳を前にしてもなお、その姿勢は少しも変わりません。
誰も傷つけず、誰かの一日を少しだけ軽くする。マギー司郎さんの〝抜けてる芸〟は、今日もどこかで人を笑顔にしています。
【担当:芸能情報ステーション】














