アニメやゲームの特定のキャラクターなどに対する強い愛のことを『萌え』といいます。美作市の湯郷温泉の旅館に、あるキャラクターへの『萌え』であふれる客室が誕生し、想定以上の経済効果をもたらしています。

美作三湯のひとつ美作市の湯郷温泉。

創業86年の清次郎(せいじろう)の湯「ゆのごう館」です。今月(12月)18日、この老舗旅館に新たな客室が誕生したと聞き訪ねてみると…

美少女!美少女!美少女!壁紙やふすまにあふれる美少女!名前は湯郷美彩(ゆのごうみさ)。この部屋は彼女の魅力とともに雲海やホタルなど自然豊かな温泉地の素晴らしさも伝えようというコンセプトルームです。


(清次郎の湯ゆのごう館 安廣清二 総支配人)
「思う存分、温泉むすめ湯郷美彩の魅力に浸かっていただきたいなと思っております」

湯郷美彩は全国各地の温泉を擬人化し、その魅力で温泉地PRする観光プロモーション「温泉むすめ」の一人。

湯郷・奥津・湯原の美作三湯にもそれぞれの「温泉むすめ」が存在します。

自分だけの『推し』を探すのが魅力の「温泉むすめ」ですが、湯郷温泉の観光案内所は湯郷美彩への愛で満たされていました。

(湯郷温泉旅館協同組合 綱嶋一真さん)
「こちらのイラストもファンの方がパソコンで描いたんじゃないかなというものをいただいているような感じです」

4年前に誕生した湯郷美彩。その存在はコロナ禍で苦境に立たされる温泉地にとって幸運の女神となっています。

(清次郎の湯ゆのごう館 安廣清二 総支配人)
「日帰りでまわってこられて、グッズを買っていただける方はコロナ禍でもどんどん伸びてました」

「ゆのごう館」は、今年第1四半期の宿泊客はコロナ前の2割まで落ちこんだものの、全国旅行支援などで現在は7割まで回復。

さらに年末年始に向け集客を伸ばそうと湯郷美彩のコンセプトルームをオープンしたところ…

(清次郎の湯ゆのごう館 安廣清二 総支配人)
「もともとの稼働率でいえば50%以上動けばいいかなと。通常旅館ですと40%で十分。ただ今の状況でみていると60~70%に届きそうだなと」

オープンするやいなや北海道や東京などからも湯郷美彩推しのファンが駆け付けました。
(清次郎の湯ゆのごう館 安廣清二 総支配人)
「美彩に包まれた感じで眠れたと本当に喜んで帰っていただいております」

『推し』への愛が120%満たされるコンセプトルームです。いまや世界に広がった日本の『萌え』の文化は苦境の温泉地を救うまでに成長しています。