和食には欠かせない静岡市特産の「ワサビ」がピンチです。2022年9月の台風による大雨で山あいにあるワサビ田は、多くが被災しています。このワサビ田を復興させようと、あるプロジェクトが12月スタートしました。
エメラルドグリーンに輝く、すり下ろされたワサビ。地元産の食材をふんだんに使った寿司が味わえる静岡市葵区の老舗すし店です。
<八千代 寿し鐵 大塩敦之さん>
「静岡の魚に、静岡のワサビと」
主役の魚を引き立てるのがワサビ。寿司には欠かせないこの名脇役がピンチを迎えています。
<八千代 寿し鐵 大塩敦之さん>
「先の台風でワサビ田の3分の2が流出したと伺っている」
現場に向かうと目の前に広がっていたのは、悲惨な光景でした。
<ワサビ農家「山七」小澤達彦さん>
「ここが被災した畑。上から土砂がかぶってしまった。もう言葉にならないというか…」
静岡市葵区で150年以上続くワサビ専業農家の六代目小澤さんは、サッカーのフィールド2面分のワサビ田を所有しています。2022年9月の台風15号で大量の泥水や土砂が流れ込み、全体の7割近くが壊滅状態になりました。
<ワサビ農家「山七」小澤達彦さん>
「ワサビは非常に敏感な植物。水が落ちたときに、酸素を取り込み、生きている植物なので、田んぼのような平らなところでは酸素不足で死んでしまう」
完全復旧には、1億3000万円以上かかると見込みです。いち早くワサビ田を復興させようと、12月にスタートしたのがクラウドファンディングです。
<クラウドファンディングを企画した清水優佑さん>
「国や県などの災害補助もあるが、スピード的にすぐには動けない。自力でやれるところからやりたい」
ワサビは苗を植えてから収穫までに1年以上かかります。行政の助けを待っていると収入がない状況が続くため、自力で復興費用を調達しようと考えたのです。
クラウドファンディングの返礼品には、自慢の本わさびを用意しています。2023年1月末までに200万円を調達する目標で、小澤さんは集まった資金でワサビ田復興への第一歩を踏み出したい考えです。
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