トメが書いたマッカーサーへの嘆願書

幕田稔の母トメ

海野代議士からの葉書には、マッカーサーに「直接会ってお願い」と書かれていたが、実際には、戦犯の家族がマッカーサーに面会するのは、簡単なことではなかっただろう。葉書の日付から1か月後、英文タイプで打たれた幕田トメのマッカーサー宛ての嘆願書が、幕田家に残されていた。

<マッカーサーへの嘆願書 幕田トメ 1948年7月16日>(英文※筆者訳)
親愛なる将軍さま
なんて夏でしょう。ここ数日はとても暑いですね。お元気でいらっしゃいますか。
将軍さまが、ご自愛くださることを祈っております。
私はあなたを敬愛しておりますし、私たちへの親切なご管理に感謝いたします。
あなたは日本人が知る限り、最も称賛され、最も人気がある外国人です。
私は、あなたができるだけ長く日本に残ってくださることを願っています。


時候の挨拶から、相手を褒めたたえる文言が並んでいる。横浜軍事法廷の判決は、軍人が裁く裁判なので、最初の再審では法務官が法律に則ったものなのかをまず審理する。そして次の再審で判決は確定する。最終的に死刑を決定し、執行を指示するのは、マッカーサーだった。