父親の葛藤「かたき討ちさえしてやれない、情けない」
喧嘩になりそうなら謝れ、そして逃げろと伝えてきた父親は、その教えが正しかったのか…、その思いは人生の最期まで抱えていたといいます。
(孝和さんの母)
「主人は言ってたんです『間違いではないけれども、もっと違う教え方があったんじゃないか』って、ずっと責めていたんですね」
「それから主人はやっぱり男だし、思いの強い人です。かたき討ちをしたいわけです。もちろんかたき討ちはしてはいけないです。分かっています。もちろんしないです。我慢をするわけです」
「だけれども、『かたき討ちえしてやれない、情けない父親だ』っていうことで、ずっと責めていたんですね。『情けない』とずっと言ってたんです。
「主人は悲しいことに、7年前亡くなりました。亡くなる前、3年間闘病生活があったんですね。最後のほうになると、意識がもうろうとなってくるわけです。そこでもやっぱり息子のことを言ってたんです」
「『情けない親だ』と。意識が薄れる中でも、そんなことを言う主人を見て思ったんです。『最後まで、私たちは死ぬまでこんな思い抱えるんや』と思ったときに、悲しくてならなかったんですね。だから私は思います。私たちのような思いは絶対してはいけないです」
事件を受けて、家族が直面した危機、そして父親が抱えていた思いについて、孝和さんの母親は話を続けます。














