ウクライナのゼレンスキー大統領が日本時間の12月22日、米・ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行うことになりました。ウクライナを離れるのはロシアの軍事侵攻以降初めてですが、このタイミングでの訪米、その目的は一体何なのでしょうか?
■米・ウクライナ対面対談 新たな軍事支援表明か

21日、ポーランド南部にある駅には、迷彩服の男性グループと歩く“男性”の姿が。ウクライナのゼレンスキー大統領です。この後、アメリカに向かったとみられます。
ゼレンスキー大統領(ツイッターより)
「ウクライナの防衛強化について協議するためアメリカに向かっている。議会演説もする」
アメリカ政府も、バイデン大統領がゼレンスキー大統領と、日本時間22日早朝にホワイトハウスで会談し記者会見を行うと発表しました。
バイデン大統領はウクライナに対し、約20億ドル(2600億円あまり)の新たな軍事支援を表明するということです。その中には、ロシアによるインフラ攻撃への対抗手段として期待されている「パトリオット」ミサイルの提供も含まれます。

明海大学 小谷哲男教授
「今回供与されるパトリオットミサイルはアメリカが持っている防空ミサイルの中でも最も能力の高いものの1つですので、それをこのタイミングで供与するということで、ロシアがこれ以上ウクライナの民間インフラを攻撃できないようにしていく」
ゼレンスキー大統領が外国を訪問するのは2月にロシアの侵攻が始まって以来、初めてとなります。首脳会談後、アメリカ議会で演説する予定ですが、7月にはゼレンスキー大統領のオレーナ夫人が、議会でアメリカによる支援の重要さを訴えていました。

ゼレンスキー大統領夫人 オレーナさん(2022年7月)
「アメリカの支援はとても強力です。ロシアが人を殺す中、アメリカ人は人を助けています。私たちは感謝しています」
このタイミングでゼレンスキー大統領が議会で直接訴える意味について専門家は…

小谷教授
「年明けに中間選挙の結果を受けて、アメリカ議会下院に関しては共和党が過半数をとるということになります。共和党議員の中にはウクライナに対する支援に慎重であったり反対する議員もいますので、そういう人たちも含めて直接対面で、アメリカを訪問することで支援の必要性を訴えるということだと思います」
■「新型ICBM近く実践配備」プーチン大統領が表明 アメリカけん制か
こうした中、ロシアのプーチン大統領は、新型ICBM=大陸間弾道ミサイルを近く実戦配備することを明らかにしました。

プーチン大統領(日本時間21日夜)
「近々、新型ICBMサルマトが初めて実戦配備される」

新型のICBM「サルマト」は射程が1万8000キロと、南極経由でもアメリカ本土に到達しし、10個の核弾頭が搭載可能だとされています。ウクライナへの軍事支援を続けるアメリカなどをけん制する狙いがあるとみられます。

















