大雪による倒木などで大規模な停電に見舞われた奥能登では、発生から3日目となる21日も一部地域で停電が続いています。石川県輪島市では屋根からの落雪に巻き込まれたとみられる高齢女性が亡くなるなど、被害が広がっています。

倒木で寸断された道路。今にも倒れそうな電柱から、電線が垂れ下がっています。こうした倒木の影響で、現在も奥能登のおよそ1100世帯で停電が続いています。

輪島市西山町で暮らす坂本春雄さん82歳。19日の昼から丸2日以上、電気が届いていません。
坂本春雄さん
「夜は真っ暗でろうそく。朝起きれば10度以下、5度くらいじゃないですか」

21日はようやく、買い物に出かけて食品を手に入れることができましたが、食卓代わりのこたつも電源が入らず、湯たんぽを入れて寒さをしのいでいます。
坂本春雄さん
「お風呂もこたつも、ごはん炊くのもみんなほとんど電気だから、電気が来ないのは困る」
北陸電力送配電は復旧作業を急いでいますが、一部の地域では倒木の撤去に時間がかかっていて、全面復旧は22日午後にずれ込む見通しです。

この大雪で、石川県内初めての死者も確認されました。20日午後7時ごろ、輪島市門前町山是清の北川スゞ子さん79歳が自宅前で雪に埋もれているのが見つかり、およそ3時間半後に死亡しました。市によりますと、北川さんは玄関前で屋根から落ちてきた雪に巻き込まれた可能性が高いということです。

北川さんは1人暮らしで、玄関前には除雪用のスコップも残されていました。
また石川県能登町桐畑でも20日、90代の女性が、停電した自宅で暖をとれず、低体温症で救急搬送されました。