第三者の専門家が論文を読み、問題点や改善点を報告する査読について、福井大学の教授が自身の論文の査読に関わったとされる問題で、大学の調査委員会は、合わせて6本の論文に不適切な行為があったとする調査結果を公表しました。

調査委員会によりますと、査読に関する不適切な行為をしていた福井大学の教授は、学術誌に投稿した論文の査読者からメールで依頼を受け、自身の論文の査読コメント案を作成したということです。査読を行ったのは千葉大学の教授や元金沢大学の教授ら3人で、3人は教授から返信されたコメント案を利用して出版社に査読の結果を提出し、論文が掲載されました。このうち千葉大学の教授は6本の論文のうち5本の査読を行っていました。

調査委員会は査読に関して、6本の論文で不適切な行為があったと結論付けたうえで取り下げを勧告。福井大学は今後、教授に対する処分を検討することにしています。