パリ五輪柔道48キロ級金メダリストの角田夏実(33、SBC湘南美容クリニック)が30日、所属先のSBC東京医療大学で会見を行い、自身の去就について自らの言葉で伝えた。
この日は『これまでの私、これからの私』と題して会見が行われ、道着を着て会見に臨んだ角田。“これまでの私”として、「諦めたくなることもたくさんありましたが、本当にパリ(五輪)まで諦めずに戦ってきてよかった。戦い切れたなと思っています」と目標の五輪出場を果たした柔道人生を振り返った。
そして、“これからの私”の部分では「柔道にはしっかり携わっていきたい」と話しつつ、「オリンピックという一番上の目指していた部分を、ロス(五輪)ですね。ロスの部分をもう目指さないという、そこの第一線から退くということが私の中では引退なのかなと思って」と思いを明かした。
「自分の中で負けたくないっていう気持ち、やっぱり柔道が好きっていう気持ちがあり、何度も諦めそうになったんですけれども、オリンピックに出たいっていう夢を持っていたので、届きそうで届かなかった東京オリンピックのときに引退を考えたんですけれども、タイミングがあって、そこからまた3年間頑張れることができた。やっぱり支えてくれる方がいて、その方たちと一緒に戦っていきたいと思うことができたので、この年までまたオリンピックという舞台まで戦い切ることができた」と周囲への思いも語った。
昨年の2月の試合以降、モチベーションが上がらず、五輪までメンタル面でも騙し騙しやってきたのではと感じたという角田。「昨年のグランドスラムの無差別が終わった後、柔道から離れてみて、自分はどう思うのかっていうのをしっかり向き合う期間をいただきました」と切り出し、「実際にもう引退だなっていうふうに考えたのは、昨年のグランドスラム東京のときに、私もあの舞台にもう一度立ちたいって思わなかったんですね。あの舞台で戦ってる選手を見たときにすごいなと思っていて、本当に苦しかったよな自分もって思ってしまった時点で、ちょっと次の大会に出るのは厳しいのかなっていうのは気づきました」と打ち明け、第一線を退くことへの思いを口にした。
今後は柔道教室の開催や、SNSなどの発信にも力を入れていくという。「柔道だけでなく、いろんなスポーツを踏まえて、子供たちに体を動かす楽しさであったりっていうのを教えて伝えていけたら」と角田。さらに「ずっと前々から結婚したいと言っているので、結婚して子供が欲しい、母親になりたいなと、自分の母を見ててすごく思う」。
続けて「そういった部分で30代女性の悩みでもある、妊娠、出産っていう部分に私も向き合っていたときに、卵子凍結などの話をいただいて。やっぱり情報が少ない分、なかなか挑戦しづらかったんですけれども、今回機会をいただけて、自分も卵子凍結をする機会をもらったことで、考える幅が広がった。こういったことをぜひもっといろんな人に知ってほしいなと思うので、そういった女性の悩みに対しても、自分が伝えられることを発信していけることをやっていきたい」と柔道家としてだけではなく、一人の女性としての思いも語った。
さらにこの日は、角田が道着を着ているということで、世界を制した巴投げを披露する流れに。金メダリストの角田に“投げられたい”と志願した数名の記者を相手に、鮮やかな巴投げを連発。またサプライズで苦楽を共にした今井優子コーチが花束を持って会見場に登場。角田は目に涙を浮かべ、最後はその今井コーチに2度の巴投げ。コーチも涙をこらえながら「お疲れ様でした」と労いの言葉を贈った。














