TBS「ニュース23」の元キャスターで映画監督の佐古忠彦氏が、NBC長崎放送の番組に出演し、自身が監督を務めたドキュメンタリー映画『太陽(ティダ)の運命』について語った。

本作は2025年3月に沖縄で公開され、その後全国で上映されてきた話題作。1月25日(日)にベネックス長崎ブリックホールにて長崎初上映されるのを前に、佐古監督が作品に込めた思いや、長崎の人々に伝えたいメッセージを語った。
映画『太陽の運命』とは

本作は、沖縄戦後史を描いた『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』、戦中史を描いた『生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事』に続く、佐古忠彦監督の最新作。「沖縄県知事」という存在を通して、日本の現代史を浮き彫りにするドキュメンタリーだ。

物語の軸となるのは、第4代沖縄県知事・大田昌秀氏と、第7代知事・翁長雄志氏。政治的立場が異なり、かつては激しく対立した関係にあった二人が、基地問題という巨大な壁を前に、いかにしてその言葉と歩みを重ねていったのか。辺野古移設をめぐる30年の歴史と、その中で苦悩し、闘った「人間ドラマ」を描き出している。
佐古忠彦監督「反目し合った二人の相剋の果てに何があったのか」

番組では、佐古監督が映画の見どころや制作の背景について語った。
――改めて、この映画の見どころを教えてください。
佐古監督: 折しも、いま長崎では県知事選挙真っ只中ですが、今回は「沖縄県知事の苦悩を通して見る現代史」これをテーマとしました。
全国には47人、知事と言われる人がいるわけですけども、その中でも最も深い苦悩を抱え続けているのが沖縄県知事ではないかと思うんです。というのはやっぱり、占領下から今も変わらないアメリカ軍基地の存在があるからだと思います。
今回の映画は、世界一危険とされるアメリカ軍普天間基地の移設先とされる、辺野古をめぐる30年の歴史を描きました。この30年の間に沖縄でいったい何が起きて、そしていわば民意の選択の象徴でもある県知事という人が、何を目指して、何を成して、でも何に挫折したのか。
知事というのは行政官という立場と、民意を背負った政治家という立場と二つあって、その狭間で様々な決断を迫られて、人間だから揺れるし、どうあるべきかということで、相当、苦悩を深めていくんですよね。

今回の主人公は、問題の起点にもいた大田知事という人と、現職のまま亡くなった翁長知事。これは長崎の皆さんにもすごく色濃く記憶の中に残っている二人ではないかと思います。
実はこの二人、政治的立場が全く異なっていたために、反目し合っていた関係にあったんです。ところが、長い時を経る中でこの二人が、発する言葉も、歩みも、どんどん重なっていくようになるんです。いったいそれはなぜなのかを紐解いていくと、この国が沖縄に対してどう相対してきたかの答えがあるし、この国の姿がそこに見えてくる、そんなふうに思います。
――今回初めて長崎で上映されることになった意義と、長崎の人たちにどんなことを伝えたいですか?
佐古監督: 辺野古という場所では、いま、国が県知事の権限を取り上げて、代執行という形で埋め立ての工事がずっと進んでいます。民意に向き合うことなく今に至る状態を放置し続けてきたのはいったい誰なのか。少数に負担を負わせたまま、ずっとここまで来ている多数派こそ、これをどう考えるのかと思います。
先ほど言った「国の姿」というのは、それはそのまま、沖縄県外の本土に暮らす私たち自身の姿だと言っても過言ではないのではないか、そんなふうにも思います。

沖縄が問うているのは民主主義の問題だったり、地方自治の問題だったり色々ありますが、実はこれ、沖縄だけの問題ではなくて、どの地域でも起こりうる問題なんだと思うんです。
ご覧いただくと、長崎の皆さんにも見覚えのある、おそらく「あのニュースで見たな」という映像がたくさん出てくると思います。そのひとつひとつの点を30年の時の流れに乗せてみると、一本の線になるんですよね。そうすると「あ、これはこれがあったからこうだったんだ」というような、いろんな因果関係も見えてきて、その意味ではいろんな発見があるのではないか、そんな気もしています。

反目し合ったこの二人の相剋の果てにいったい何があったのかということも含めて、そんな人間ドラマにも注目していただきたいと思っています。
映画『太陽の運命』長崎上映会
長崎での初上映は、1月25日(日)に開催される。当日は全2回の上映が行われ、各回上映後には佐古監督によるアフタートークも予定されている。
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日時: 2026年1月25日(日)
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① 10:00 上映開始
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② 13:30 上映開始
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会場: ベネックス長崎ブリックホール 国際会議場(長崎市茂里町2-38)
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ゲスト: 佐古忠彦 監督(各回上映後にアフタートークあり)
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料金:前売:1,200円 / 当日:1,400円 / 小中高生:800円
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チケットに関するお問い合わせ:長崎県映画企画センター














