シリーズでお伝えしているトランプ政権誕生から1年「割れるアメリカ 揺れる世界」。トランプ政権が強硬に推し進めるのが、「不法移民の強制送還」です。しかし、その矛先は、選挙でトランプ大統領を支持した「アメリカで市民権を持つ人々」にまで及んでいます。

フェンスに押さえつけられる男性。胸ぐらをつかむのは、不法移民の摘発のためにやってきた移民当局の職員です。

「私はアメリカ市民だ!」

なぜ、「アメリカで市民権を持つ人」が取り締まりにあうのか。背景にあるのが、トランプ政権が力を入れている政策です。

アメリカ トランプ大統領
「我々は、犯罪歴のある不法移民を強制送還するプロセスを開始する」

「史上最大の強制送還」の名のもと、トランプ政権発足直後から始まった不法移民の摘発。これまでに60万人以上が国外追放されています。

強硬な手段、犯罪歴のない移民の摘発、さらに、「アメリカ市民」が標的になるケースも起きているのです。

先ほどの男性が経営する自動車解体現場の防犯カメラの映像。去年6月、移民当局の職員が突然あらわれます。再び姿をあらわした職員が男性を投げ倒す様子も写っています。

移民当局に拘束された米市民 ハビエル・ラミレスさん
「首を膝で押さえつけられて、顔にはあざができました」

アメリカで移民の両親の間に生まれたハビエルさん(32)。「アメリカ市民だ」と何度も訴えましたが、すぐには聞き入れられず、5日間にわたり勾留されました。

移民当局に拘束された米市民 ハビエル・ラミレスさん
「当局は見た目や話し方だけで判断しています。先に捕まえて、そのあと質問するというやり方なんです」

当時現場に居合わせた知人のブライアンさん(30)も一時、拘束されました。

「何でだよ!俺はアメリカ人だって!」

先月、民主党の上院議員はこれまでに少なくとも22人のアメリカ市民が誤って逮捕されたなどとする報告書を発表。「当局は人種や言語だけで標的としている」と非難していますが、移民当局は「捜査妨害や隊員への暴行があったため」などと正当化しています。

おととしの大統領選でトランプ大統領に投票したブライアンさんですが…

移民当局に拘束された米市民 ブライアン・ガビディアさん
「摘発されるのは犯罪者だけだと信じていました。だから支持したんです。こんな事態だったら支持しません。(トランプ大統領に)投票したことを100%後悔しています。自分のコミュニティにこんな仕打ちをしたくなかった。トランプ大統領は発言と本心が一致しません。結局、私は含まれていないんです」

大統領選ではヒスパニック票のうち半数近くを獲得したとされるトランプ大統領ですが、直近の調査ではヒスパニック層の支持率は27%に落ち込んでいて、11月に控える中間選挙への影響が注目されます。