大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故から今年で10年。ずさんな運行管理が原因とされた事故の再発防止へ向け遺族は活動を続けてきました。
大学2年生だった次男の寛さんを亡くした大阪府の田原義則さん。
田原義則さん
「事故の起こる直前の正月に帰ってきて話した内容を結構思い出す。10年目というのは節目で、寛も『特別なんだよ』と言ってる気がして」
2016年1月15日、長野県軽井沢町の国道18号でスキーツアーバスが道路脇に転落。大学生など15人が死亡、26人が重軽傷を負いました。
田原義則さん
「最初は気づかなかったが、バスの強化ガラスの粉々になった破片が本に挟まっていた」
その後、運行会社によるずさんな管理が指摘され、コスト優先、安全軽視の問題が業界内に広がっていることが明らかになります。
田原義則さん
「二度と(事故が)起こらないように、社会を変えるくらいの提案をして、それが実現すれば、むだ死ににはならない」
通夜で寛さんと約束を交わした田原さんは事故から20日余りで遺族会を立ち上げます。
国やバス業界に働きかけ、85項目にわたる再発防止策の実施やバス事業者の規制を強化する法改正にこぎつけました。
寛さんが出席するはずだった大学の卒業式。田原さんは同級生とともに寛さんが通った証しを残しました。
田原さんが特に力を入れたのが、事故の責任の所在を明らかにすることです。
田原義則さん
「この事件が起訴されるかどうか、(起訴以外には)再発防止が完結しない」
遺族会は刑事事件での起訴を求め、4万以上の署名を長野地検に提出。
事故から5年後、運転手への適切な指導を怠ったなどとするバス会社の社長と当時の運行管理者の裁判が始まりました。
田原義則さん
「子どもたちが亡くなった、大きな事故が起こった事実に対して、会社側として知らなかったではすまない」
1年8か月に及ぶ裁判で長野地裁は事故が予見できたと社長らの責任を認定。実刑判決が言い渡されましたが、いまも控訴審が続いています。
田原さんは、事故を若い世代に語り継ぐ取り組みを続けています。
田原義則さん
「風化防止の取り組みをやっていくと同時に、再発防止への投げかけはこれからも続けていきたい」
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