驚くほど多くの人の思いが込められている甲子園ボウル

 それから数十年、当時人気絶頂のボブ・サップさんに盛り上げをお願いして放送させていただいた王者・関西学院大学の戴冠をはじめ、京都大学の連覇や、立命館大学の初優勝、日本大学の復活劇、試合中の映像を使って即座にCMを作成した関学対法政のラストワンプレーの明暗など、数多くのドラマに立ち会わせていただいた。
 そんな時いつも感じていたのは、甲子園ボウルには驚くほど多くの人の思いが込められているという事実。同時に、アメリカンフットボールは、本当の意味でのチームスポーツだということだ。
 選手は勿論、コーチ陣やサポートスタッフ。ひいては、父兄やOB、チームにかかわるすべての人の思いが集まって、甲子園ボウルという至極の空間が形成されている。しかも、その勝敗は、あらゆる事態を想定して、一人一人が役割を果たし、まさに全員が一丸となってとことんまで準備してきたチームが、はじめて栄冠を手にすることができる舞台になっている。
 だからこそ、甲子園ボウルは当時も今も、関西の学生スポーツの中で最も集客力があるイベントとして輝き続けている。

 77回を迎える今回の甲子園ボウル。
 歴史が語るように、大学として、アメリカンフットボールにほとばしる情熱と、とてつもないエネルギーを注ぎ込こんできた関西学院大学KGファイターズと、部員200人、すべての入部希望者を受け入れ、3割を占めるアメフト未経験者とともに膨大な時間と熱意をかけてチームとしての一体感を熟成してきた早稲田大学ビッグベアーズが激突する。
 今年はどんな想いが激突するのか、どちらの準備が聖地で花開くのか。
夢舞台から目が離せない。

MBS制作スポーツ局 宮前徳弘