リニア工事をめぐって、JR東海が提案するいわゆる田代ダム案について、静岡県の川勝平太知事は12月16日、「全量戻しにはならない」との認識をあらためて示しました。静岡県の専門部会では、副知事や専門家が全量戻しの代替案として検討を続けていて、知事との認識の差が浮き彫りとなりました。
JR東海が提案する「田代ダム案」は、大井川上流にある東京電力の発電用のダムの取水量を抑えて、リニア工事による県外流出分と相殺する案です。
12月4日に開かれた静岡県の専門部会では、JR東海が渇水期でも対応できることや水利権について問題がないことを報告し、森貴志副知事や専門家が水の「全量戻し」の代替案として、一定の評価をした上で、検討が続けられることになりました。
しかし、16日の記者会見で川勝知事は…。
<静岡県 川勝平太知事>
「南アルプストンネル工事と田代ダムの取水抑制は別の事柄です」
あらためて「田代ダム案は全量戻し策にはならない」との認識を示しました。
<静岡県 川勝平太知事>
Q.田代ダム案が全量戻しの解決策になりえないというのなら、専門部会で議論するのはやめた方がいいと思うが、その考えは?
「ありません。これは水資源に関わる問題ですから」
知事は全量戻しにはあたらず、リニア工事とも関係ないとしながらも、「大井川に水が戻ってくるなら重大なテーマ」だとして、専門部会での議論は続けるべきと述べました。
注目の記事
「やっと技術が認められた」従業員約70人の町工場が開発 量産可能な最高水準の緩み止め性能のボルト 【苦節21年の道のり 開発編】

“ポンコツ一家”で過ごした5年間 認知症の母と一発屋芸人 にしおかすみこさんが語る「ダメと言わない」介護【前編】

「下請け」は"NGワード" 法改正で消える暗黙の上下関係 フリーランスも保護【2026年から変わること】

パンや味噌汁でもアルコールを検知してしまう?飲酒してなくても摘発されてしまうのか 警察に聞いてみた

【実録・詐欺犯VS警察官】 詐欺電話を受けたのは“本物の警察官”「信号検査・逮捕令状・強制捜査」次々に出る専門用語…人々が騙される巧妙な手口を公開

3年で20本が切断…台湾「海底ケーブル」が直面する脅威と中国の影 最前線・沿岸警備隊パトロールに日本メディア初密着【後編】









