今年3月に山形県内の高校を卒業した生徒の進路状況を、このほど県が公表しました。大学などへの進学率が前の年をわずかに下回った一方、就職率は上昇し、専門学校への進学では「県内志向」が強まっていることが分かりました。

県がまとめた「学校基本調査」の結果によりますと、今年3月の県内の高校卒業者数は8390人で、前の年より154人増加しました。

進路状況は、大学などへの進学率は50.5%と、前の年より0.5ポイント低下しました。 これは全国平均の62.6%を大きく下回る数値で、県内の大学への進学率も26.1%となりわずかに減っています。

一方、専門学校などへの進学した生徒は、全体ではわずかに減ったものの、県内の学校を選んだ割合は40.8%と、前の年より2.7ポイント上昇し、県内の学校に進学する生徒が増えました。

また、就職率は23.2%で、前の年を0.7ポイント上回りました。 山形県の就職率は全国平均が13%台で推移する中、依然として高い水準となっています。

就職した人のうち県内企業に就職した人の割合は77.3%と、前の年より2.8ポイント低下しましたが、8割近い卒業生が県内企業を選択したことが分かります。

地域別で見ると、就職率は庄内地域が29.2%と最も高く、進学率は村山地域が53.7%と最も高くなっており、地域ごとの特色も表れています。

少子化が進む中、進学・就職ともに「県内で学び、県内で働く」という選択をどう支えていくか、また県外に流出した若者をどう呼び戻すのか。引き続き県の抱える課題は多い現状です。