太平洋戦争終戦後、アメリカ軍の統治下にあった奄美群島が、日本に復帰して、きょう25日で72年です。

25日、奄美市で集会が開かれ、参加した島民らは復帰までの苦難の歴史に思いを馳せていました。

奄美市を一望できるおがみ山公園の復帰記念広場で開かれた集会には、およそ50人が参加し、復帰の日を祝いました。

奄美群島は太平洋戦争終戦後間もない1946年からおよそ8年間、アメリカ軍の統治下におかれました。

日本本土との自由な行き来ができず、物資・食糧が不足する中、当時の人口およそ22万人のうち14歳以上の99.8%の署名を集め、断食などにより、1953年の12月25日、日本に復帰を果たしました。

参加者たちは、公園内にある復帰運動のリーダー、泉芳朗の銅像に花をたむけて先人たちの偉業を称えました。

(中学2年生の時に復帰)「我々も提灯行列に参加した。若い人たちがそれを引き継いで、奄美のことを考えてくれていることに感動」

集会の後、復帰運動の中心的な場所だった名瀬小学校では、奄美市内の小中学生が、泉芳朗の復帰への思いを綴った詩、「断食悲願」を朗読しました。

(詩の朗読)「奇妙不可解な人為の緯線がのろわれた民族の死線に変わろうとしている」

(朗読した小学6年生)「昔の人たちの日本に戻りたいという気持ちを思いながら朗読した」

参加した児童・生徒らは、詩を朗読しながら、奄美の苦難の歴史と先人たちの偉業に思いを馳せていました。