母の様子がおかしいと感じたにしおかさん。新居の契約書に判を押す前のタイミングでしたが、「いないよりはいた方がいいだろう」と、腹を括りきれないまま実家に戻ることを決めました。貯金もなく、コロナ禍で先行きも見えない中での決断でした。
「駄目」と言わない介護──母の残りの人生を狭めたくない
にしおかさんが実家で暮らす中で、1つだけ意識したことがあります。それは「駄目と言わない」ことでした。認知症の母親と一緒に暮らしていると、危なっかしい場面が次々と訪れます。ついつい「あれ駄目、これ駄目」と言いたくなります。
しかし、にしおかさんは考えました。
にしおかすみこさん:
「起きるかどうかもわからない未来の不安のために、母の残りの人生を狭めたくない」

















