「右へ行った」
「今、シュートを打った」
ほとんど見えていないはずのコート上の動きが、彼には手に取るように分かります。
バッシュが床を擦る摩擦“音”、ネットが揺れるかすかな“音”、そしてボールが弾む
重低“音”。
多くの観客が「目」で追う試合を、小学6年生の川﨑友護くんは「耳」と「全身」で感じていました。
【川﨑友護くん】
「ボールをつく“音”が一番好きです。シューズの音を聞いて右に行っている、左に行っているというのはわかって。シュート入った時はネットが揺れる“音”、『パラ』っていう“音”が聞こえて」
彼は、ほとんど目が見えません。
それでも誰より熱く、プロバスケットボール「愛媛オレンジバイキングス」の試合に通い続けています。
“音”で試合を感じ、全身で熱狂を受け止める、一人の少年の姿を追いました。














