明るい新年を願って、南木曽町では地元の木材を使った縁起物作りが進んでいます。


思わず手に取りたくなる、かわいらしい木の置き物。来年の干支「午」です。

南木曽町読書の佐藤裕宣さん・74歳。新年に向けて、自宅の一角に設けた自作の工場で作業を続けています。

地元のヒノキ材を、一辺9センチ、厚さ3センチほどのおにぎり形にし、電動糸ノコギリを使ってくりぬいていきます。15分ほどで、6つのパーツに分かれた馬の姿ができました。


「私、ハート好きなもんですから、どこでもハート使いたくて。(どうして?)人は心ですからね。人を好きになるのも人付き合いもハートで付き合いますから。もともと、ロマンチストなもんでね!」

おにぎり形の置き物はもともと、地元の木工職人・岩田四郎八さんが考案し、30年にわたって作り続けてきたものでした。


唯一の作り手だった岩田さんが5年前に亡くなり、途絶えてしまうところでしたが、知人から話を聞いた佐藤さんが岩田さんの過去の作品を参考にしながら復活。

「南木曽の伝統になるといいと思ってね」

他にも作ろうという人が出てきてほしいと、願っています。丁寧にやすりをかけたあとは、胸のハートと背中の鞍にちりめんの布を貼ります。


目や鼻を書き入れたら…馬に魂が宿ります。

「お!これはいい目だな。馬の目らしい」

「開運」と「健康長寿」のハンコを押したら、完成です。

愛らしさの中にも、凛とした姿。木曽地域の在来馬・木曽馬をイメージしたといいます。


年末までにおよそ200個を完成させる予定で、JR南木曽駅前の土産店や妻籠宿の観光案内所で1個1300円で販売しています。

託す思いは。


「“うま”くいく年であってほしいということでね、変なダジャレですけども…そういう思いで作っていますので、皆さんが良い年を迎えていただきたいと思います」