中国政府が日本への渡航自粛を呼びかける中、中国東方航空の鹿児島・上海線が、運休期間を今月23日から来年3月末まで拡大することが分かりました。
鹿児島の観光にも影響が広がっています。

(記者)「上海からの乗客が到着しました。普段ですと出迎えの人がたくさんいるということですが、きょうは閑散としています」

中国東方航空の鹿児島と上海線は、毎週火曜と土曜の週2往復運航しています。

県によりますと、これまで今月23日から来年1月末までの運休を決めていましたが、運休期間を来年3月末まで拡大するということです。

運休拡大の理由について、中国東方航空は「申し上げられない」としていますが、台湾有事を巡る高市総理の国会答弁をきっかけとした、中国政府の渡航自粛の呼びかけが背景にあるとみられています。

16日、上海から旅行に来た中国人観光客は…
「すでに旅行日程を決めてしまったので(来日予定を)変えなかった。中国と日本の関係は問題はあるが、両国の良い関係を築いてほしい」

(技能実習生を出迎えに)「これがなくなることで福岡からのお迎えになったりとかで、鹿児島地域の実習生にとっては非常に厳しくなってくる」

折り返しの上海行きの便を利用する人からは、困惑の声が聞かれました。

「今、飛行機を止めていて普通の交流もできないし、困っていますね。旅行もできないし」

県内の観光業界からは、影響を心配する声も。

霧島市牧園町の温泉旅館です。こちらの旅館では普段、月に2組ほどの中国人観光客が宿泊していました。しかし、先月14日の渡航自粛の呼びかけ以降、予約は入っていません。

中国で大型連休となる2月の旧正月・春節の運休も決まったことで、インバウンドへの影響の広がりを懸念しています。

(湯ノ花MUKU・吉村通展 支配人)「もともとインバウンド客自体は少ないが、今後インバウンドの客は大事になってくるので、少しでも多くの人が足を運んでいただけるよう日々頑張ります」

緊張が続く日中関係。先行きは見通せないままです。