「決して正常な状態ではない」

「LIVEしずおか」では今週、2025年を振り返るシリーズ企画をお伝えします。1回目は、「財政危機宣言レベル」とされた静岡県の財政についてです。深刻な財源不足を受け、自身の給与をカットするとした鈴木康友静岡県知事ですが、財政健全化への道のりは険しい状況にあります。

<鈴木康友静岡県知事>
「私は16年間首長をやっていましたけれども、その経験からいきまして決して正常な状態ではない」

2025年1月、県庁の仕事始め式で県財政への強い危機感を語った鈴木知事。しかし3月、財政危機に追い打ちをかけるような問題が露呈します。

「何の確約もないのに予算に盛り込んだことが絵に描いた餅」

県が浜松市に計画する新たな野球場の整備を巡り、当初の概算事業費より80億円も多い「最大450億円」という試算が出ていたことが判明。県の大型事業はさらに暗雲が立ち込めます。

移転計画を進める県立中央図書館をめぐり、県は総事業費298億円のうち136億円を国の交付金で賄う予定でしたが、その交付金が想定より約100億円少ない見込みであることが明らかになりました。

<山本隆久県議(6月定例会)>
「何の確約もないのに予算に盛り込んだことが絵に描いた餅であり、堅実な計画性がなかったと判断せざるを得ません」

<県教委 池上重弘教育長>
「他の自治体の申請状況や交付実績などの確認に不十分な点があったと反省しています」

これを受け、県教育委員会の池上重弘教育長は責任を取り、自身の給与の10%を3か月分自主返納すると表明。県はその後、図書館の開館時期を当初の「2028年」から「2030年代中頃から後半」へ大幅に遅らせる方針を示しました。