卵の捕食などにより在来の鳥類に悪影響を及ぼすとして特定外来種に指定されているガビチョウが、国内で初めて中央アルプスの高山帯にも生息域を拡大している可能性が確認されました。
これは、県環境保全研究所と筑波大学、それに山梨県富士山科学研究所の研究グループが確認したもので、15日付けの学術誌「Bird Research」に掲載されました。
研究グループなどによりますと、ガビチョウは、チメドリ科の鳥で、本来は、中国南部から東南アジアにかけて分布していましたが、1980年代に北九州市で確認されて以来、標高の低いエリアを中心に東へ生息域を広げていて、卵の捕食などを通じて在来の鳥に悪影響を及ぼす可能性があるとして、2005年にカミツキガメなどとともに環境省の特定外来生物に指定されています。
これまでは、森林限界より標高が高い高山帯での記録はありませんでしたが、研究グループでは、2024年8月6日に中央アルプスの木曽駒ヶ岳の標高2770メートルの高山帯でさえずっている動画を撮影したほか、9月10日には、中央アルプスの駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅北側の標高およそ1700メートルの森林と、10月18日には中央アルプス南部の池山小屋周辺の標高およそ1750メートルの森林で、それぞれさえずりを確認しました。
研究グループでは、これにより、確認されたエリアの東側にひろがる伊那地域から木曽駒ヶ岳の高山帯に分布を拡大させた可能性のほか、一般的には繫殖期に聞かれるとされる、さえずりが記録されたことで、今後、高山帯で繁殖する可能性があるとして、高山帯での継続的なモニタリングや、在来の鳥に対する生態学的な影響を解明する必要があるとしています。














