公費で購入したトナーの転売など、2つの不適正な事務処理を行い、市に損害を与えたとして、長崎市立小学校の事務主任が12日、懲戒処分を受けました。

懲戒処分を受けたのは、長崎市立小学校に勤務する47歳の男性事務主任です。

長崎県教育委員会によりますと、この事務主任は今年度、誤って発注した1万7000円相当のトナー2本について、同僚に依頼してフリーマーケットアプリに出品させました。その後、売却益である5700円分のポイントを自分に振り込ませ、同額の現金を学校の金庫に入れて保管していました。

また、この事務主任は令和2年度から令和6年度にかけて、必要な物品を会計処理を経ずに自分で立て替えて購入し、領収書を業者に渡し、現金の払い戻しを受けていました。業者は、立て替え分に手数料を上乗せして市に請求し、事務主任自らが支出の手続きを行っていましたが、これにより市は、本来不要な手数料およそ10万円を支払っていました。
なお、この取引で事務主任個人は利益を得ていませんでした。

一連の行為による市の損害額はあわせて12万円あまりにのぼるとしています。

県教委は「公務員としての自覚に著しく欠ける」として、この事務主任を12日付けで戒告処分としたほか、監督責任として58歳の男性校長についても戒告処分としました。

誤発注したトナーを転売したことについて事務主任は「損失を取り戻したかった」また不適正な事務処理を繰り返していたことについては「なるべく早く先生方の要望の応えたかった」と話しているということです。

※配信当初、不適正な会計処理を「令和2年度から今年度にかけて」と記載しましたが、正しくは「令和2年度から令和6年度にかけて」でした。
お詫びして訂正します。