滋賀県の名所「瀬田の唐橋」に落書きされているのが見つかり県などが被害届を提出です。

 滋賀県大津市にある、「瀬田の唐橋」。琵琶湖の南側を流れる瀬田川にかかり、風景の美しさから近江八景のひとつにもなっています。

 京都と東国を結ぶ交通の要だったことから、かつては「唐橋を制するものは天下を制する」とも言われ、数々の歴史的な合戦の舞台となったことにちなんで、東軍と西軍に分かれ綱引きを行うイベントも開催。

 また、2012年には周辺住民らの意見も踏まえ、木造の橋をイメージできるようにと橋の側面がいまの「唐茶色」に塗られました。

 長年見守り続けてきたという地元の男性は…

 (81歳の地元住民)「(橋が)1954年に完成したのですよ、架け替えが。それからずっと見ています。私にとってはもう本当にシンボルです」

 しかしそんな橋で見つかったのが、黒色のスプレーのようなもので書かれた落書き。滋賀県などによりますと、11月19日に近隣住民から連絡があり、橋の側面や橋脚など5か所で落書きが見つかったということです。また、周辺にあるタイル張りのモザイク画やトイレの壁など、計10か所以上でも確認されました。地元の住民らも落書きには、憤りを隠せません。

 (地元住民)「もう情けない、寂しい、悔しい。調子に乗ったらあかんなということですね」
 (地元住民)「落書きによってきれいなものが台無しにされるのは非常に良くないなと思います」
 (81歳の地元住民)「みんなで守るために一生懸命やっているのに、こういうことをするのはとんでもないことやと。見てるだけで腹立ってきます」

 橋を管理する県は、「唐茶色に塗られた橋の側面の修復には時間がかかりそうだ」と話します。

 (滋賀県大津土木事務所 有川健一管理係長)「特に橋の両側は色の調合とかに大変苦労した箇所でございますので。我々だけで対応できるのがもし難しければ、専門の業者とかにもお願いすることもありますので、これから検討でございます」

 県や市は12月10日、警察とともに被害状況を確認し被害届を提出。警察は器物損壊の疑いで捜査を進める方針です。

 橋を管理する県は今後、早急に修復作業を進めていく予定です。