きょうは国連の「世界人権デー」です。中国では人権問題を扱ってきたがために当局の圧力を受け、国内を転々としている元弁護士がいます。彼が国際社会に求めるものとは。
盧思位さん
「こんにちは」
元人権派弁護士の盧思位さん。スーツケース1つで中国国内を転々としています。
盧思位さん
「私の全ての財産はこのかばんの中にあります」
2020年、台湾に亡命する途中で逮捕された香港の民主活動家を弁護するなど、これまで人権問題を扱ってきた盧さん。ところが、こうした活動が問題視され、弁護士資格をはく奪されたうえ、出国を禁止されました。
当局の圧力が強まるなか、家族はアメリカに逃げることができましたが、拘束されるおそれがあるため、再び中国に戻ることはできないといいます。
盧思位さん
「私と家族は長い間、離れ離れです。妻と娘が恋しくてたまらなかったです」
おととし、盧さんは家族に会おうと手続きを経ずに出国しましたが、経由地のラオスで拘束されます。
国連の人権理事会の専門家らは盧さんを解放するようラオス政府に要請しましたが、中国に送還されました。
盧思位さん
「5人の武装警察に黒いフードを被せられ、列車に押し込まれて連れ戻されたのです」
ラオスで中国の経済的な影響力が拡大していることが人権を無視した強制送還につながったと盧さんは考えています。
盧思位さん(2024年10月)
「彼らは外にいる。ドアがノックされている。逮捕しに来たんだろう」
中国に戻ったあと、盧さんは国境を違法に越えた罪で半年間服役し、今年8月に釈放されました。
しかし、地元当局の尾行が続いたため、各地を転々とするようになったといいます。いまも出国は許されず、家族と会うことはできません。
盧思位さん
「私がいま一番辛いのは、その点です。娘とは3年から4年会っていません。彼女の心の変化が分かりません」
元人権派弁護士が厳しい環境に置かれるなか、盧さんは「国際社会の関心が重要だ」と訴えますが、中国の人権問題に厳しい姿勢をとってきたアメリカも10月の米中首脳会談では人権について取り上げませんでした。
盧思位さん
「普遍的な価値(人権)は自由民主主義の国にとって必ず注目すべき問題だと信じています。中国の人権状況が注目され、状況が良くなることを望んでいます」
中国といえば、貿易戦争など経済問題に国際社会からの注目が集まる一方、個人の人権への関心はなかなか高まりません。元人権派弁護士の訴えは果たして届くのでしょうか?
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