『大人博物館』館長が語る「環境づくり」への思い
イベントを通じて、子ども達には未知の仕事に対する興味が広がっていきます。
『大人博物館』の環境作りについて、主催者で『大人博物館』館長の林めるりさんに聴きました。
「大人博物館」館長 林めるりさん
「子どもたちにプレッシャーを与える場にしたくないので、どうしたら子どもが来やすい場になるかな、楽しめる場になるかなって思い『博物館』と名付けました。
大人の人が喋ります、ではなく、大人が展示されてますという言い方をして、子どもが楽しく、緊張せずに未来のことを考えられるよう『大人博物館』としています」
「大人博物館」に参加する大人たちは「展示物」ならぬ、「展示人」と呼ばれています。
子どもたちの巣立ちを支える取り組み。兄の自死がきっかけのひとつに
館長の林めるりさんは、現在25歳。
4歳の時に親からの虐待を疑われ、4人の兄弟と共に児童養護施設に入所し、18歳まで施設で暮らしました。
高校を卒業すると、料理人として旅館に就職しましたが、労働条件が厳しい、いわゆる「ブラック」な労働環境だったそうです。
林さんは4年半勤めて退職した後、ケータリングや料理専門の家事代行などを経てフリーランスに転じ、現在に至ります。
林さんは、自分の経験からも、養護施設の子ども達が「こう働かなきゃいけない」などの思い込みを抱かないように、様々な働き方を知るのが大切だと考えています。
その背景には、林さんと同じ施設で育ち、同じ料理人になった兄の存在があります。
林さんの兄は職場の人間関係などに悩んで精神疾患を患い、自ら死を選んでしまいました。
「大人博物館」館長 林めるりさん
「私がさっさと会社を辞めて、色々なことをしている姿を見せていたら、兄も会社を辞めようと思ったのかなとか、考えます。
兄はずっと私達兄弟のようにちゃんと働かなきゃ、周りはちゃんと働いてるのに、という考えにすごく捉われていたという印象がありました。
私は、そうじゃないっていうことに、気付けたんです」














