4年前、海外赴任先での過労自殺で息子を亡くした富山県内の女性。9日金沢市で開かれた特別授業で学生らに語ったこととは。

上田直美さん「27歳の若者の将来を奪った過労死は、とても罪が重いものです」

富山県内に住む上田直美さん。4年前、タイで働いていた当時27歳の息子、優貴さんを過労自殺で亡くしました。

上田直美さん「息子が亡くなってもプロジェクトは完成しました。しかし家族にとって大事な息子の代わりはいません」

厚生労働省が実施する啓発授業で、海外勤務の実態や課題を知ってもらおうと、就職活動を控える3年生などに語りかけました。

上田さんは、ことし3月、日本の労働基準法が原則適用されない海外勤務に対し、国や企業に対策を求める連絡会を結成。

優貴さんが勤めていた企業に対しては、 客観的な労務管理や相談窓口の周知などを含む「海外派遣マニュアル」の策定を求めています。

上田直美さん「皆さん当たり前のことだと思いませんか?当たり前のことがなされていなかったためこのようなことが発生したと思っております」

これから社会に出る学生たちに、悩みは1人で抱え込まず周囲に相談してほしいと訴えました。

上田直美さん「皆さんが社会に出て働く中で、さまざまな疑問や理不尽なこと、理不尽な思いをすることがやはりあると思います。信頼関係がある方とこのような話をしていく中で、解決への糸口が何かあるかもしれません。皆さんは過労死から遠い存在でいてほしいと願っております」

学生「社会としても変わってほしいなと思いました。労働者が声を上げやすい環境だったり、働いてきてよかったなと思える制度が作られればいいなと思いました」

学生「過労死は、遺族に深い傷を負わせるし、会社にとっても社会的信頼をなくす行為で、誰にとっても幸せにならない。すごく心が痛むような内容でした」

上田直美さん「新入社員に皆さんなられて、働くことは不安でいっぱいだと思うので、私たちが取り組んでいくことで何か少し希望が見いだせれば」

同じような悲劇を生まないために。上田さんは、息子・優貴さんに代わって、今後も社会に訴え続けます。















