これから食べる機会が増える「イチゴ」ですが、生産量日本一の栃木県である試みが行われています。実は、有名ブランド「とちおとめ」の生産量を大きく減らしているといいますが、その狙いとは…?
■「イチゴのナポリタン」!?
四国の香川県が「うどん県」と名乗るように、栃木県が5年前から打ち出してるのが、「いちご王国・栃木」。東京にあるアンテナショップを訪ねてみても、とにかく“イチゴ推し”。定番のお菓子から、イチゴのビール。ジャンルを超えたこんな物まで。
とちまるショップ 上邑圭吾さん
「一番インパクトがあるのはイチゴのナポリタン。果肉も入っているので本当にイチゴ感たっぷり」

栃木が打ち出す「いちご王国」について、お客さんに聞いてみると…
Q.「いちご王国」栃木県がんばっているの知っている?
「…知らなかった、ごめんなさい」
ただ、「いちご王国」を知らなくても…
「『とちおとめ』が有名かな」
■「とちおとめ」の生産をあえて減らす?なぜ?
14日、Nスタが訪ねたのは、栃木県のイチゴ農園。直売所では驚きの光景が。
記者
「こちら、とちおとめが販売されている隣に、同じ大きさの売り場で別の品種のイチゴが販売されています」

名前は「とちあいか」。
ロッサベリー 吉澤聖代表取締役
「2~3年後には7割ぐらいが『とちあいか』に変わるっていう話を聞いているので、だいぶ『とちおとめ』は減ってしまうんではないかな」

実は、栃木県の意向で「とちおとめ」の生産を減らしているというのです。
なぜ、日本一を誇る「とちおとめ」の生産を減らすのか。栃木県庁、「いちご王国」のプロモーション担当・白鳥さんに話を聞くと…
栃木県農政部経済流通課 白鳥幹久課長
「今回、その新しい品種もできましたし、栃木のいちごとして認知していただきたいなと思っています」

狙っているのが、新品種「とちあいか」への切り替え。いったい、どんなイチゴなのでしょうか。その特徴は…
記者
「断面がハートの形をしています」

栃木県農政部経済流通課 白鳥幹久課長
「少しヘタの所がくぼんでいて、断面がハート型に見えるところがあります。味は酸味が少なくて、すごく甘さが際立っている」
ただ、農家が生産を進める最大の理由は、「とちおとめ」に比べて成長が早く、しかも、同じ面積で作った場合、1.3倍も多く収穫ができるというのです。生産量は現在、「とちあいか」3000トン、「とちおとめ」1万8700トンですが、5年後には、「とちあいか」2万6200トン、「とちおとめ」2400トンと、逆転させるそうですよ。

すでにイチゴ農園では、「とちあいか」を使った商品も登場。
そして、「いちご王国」のPRを加速する動きも。今回、初めて開催されたのがスイーツコンテストです。