人手不足と言われる中、若手の人材確保は、どの業種にも共通の課題です。こうした中、建設業界が最新技術を使って高校生に仕事を知ってもらおうと、現場見学会を開きました。
真柄建設 真柄卓司社長
「建設業というのは若い子の入職者がだいぶ減ってきていて、こうして若い子に実際の現場を体験することによって建設業の入職者を増やしていこうと」
県建設業協会が開いた現場見学会には、金沢市立工業高校建築科の2年生40人が参加しました。
MRO 久保田修平アナウンサー
「こちらでは今、高校生たちがVRを使って内装工事の現場を見学しています」

生徒たちが体験しているのは、真柄建設と金沢工業大学が共同開発したVR(=仮想現実)の世界で建築現場を体験できるシステム。開発したのは金沢工業大学建築学部4年の上田篤哉さんと澤田篤志さんです。
金沢工業大学建築学部4年 上田篤哉さん
「内装工事限定にはなるが一から最後まですべての工程が見られる。作業内容とかもすべて見ることができるツールを開発していきたい」
金沢工業大学建築学部4年 澤田篤志さん
「この研究自体が教育ツールのために作成するということで教育効果が一番大きく発揮できるようにデータを作成することに関して苦労した」
真柄建設 真柄卓司社長
「昔は俺の背中を見て学べというような、建設業ってそんな風潮があったと思うが、バーチャルで作ってしまえばその時々教えたいことをしっかり説明できる。しかも目で見て紙じゃなくて、そこにいるような体験をして学べる」
MRO 久保田アナ
「じゃあこのVRで建物ができる前の内装を見学できるということで、早速、世界に入ってきたいと思います」
VR体験をしたあと、生徒たちは金沢市中心部のマンション建設現場を訪れました。
生徒は…
「いろんな業者がそれぞれ自分の仕事を持ってひとつの部屋を作っているのがすごい」
「壁の内側は普段加工されていて見られないので断熱材とかを見られてよかった」

最新の技術を使って現場を体験した生徒たち。この中から将来の建設業を担う、金の卵が産まれることが期待されています。
マンション建設現場の見学では、クローゼットやキッチンなどが設置される前の状態を見ることができ、生徒たちにとっても貴重な経験になっているように感じました。教科書の中でしか見たことが無かった素材やパーツを興味津々に見入っている様子が印象的でした。
VRはまだ試作段階ですが、今後は若手社員の研修や大学での講義など幅広い活用が期待できるということです。若い世代の人材育成から熟練の技の継承まで最新のバーチャル技術が建設業界をバックアップします。