家族が佐賀から広島の病院に 夫から『頑張れ』の言葉に
その後、バス会社が用意した車で、佐賀から家族が広島の病院に駆けつけます。山口さんの夫がしばらく会社を休み、付き添いましたが、夫が山口さんにかけた言葉に対して、複雑な心境になったと言います。
(山口由美子さん)【画像⑤】
「夫が私に言う言葉は、『頑張れ』なのですね。『家族も、お前がいなくても頑張ってるぞ、頑張れ』」
山口さんは、懸命な処置により助かった状況の中で「頑張りようはありません」と続けます。
「夫が良いとか悪いとじゃなくて、日本人って『頑張れ』って言葉が好きなんですよね。でも、頑張れない人に『頑張れ』っていうのは失礼な話だな、というふうに私は思います」
そうした中、精神科医との出会いによって山口さんに転機が訪れます。
「精神科のお医者さんが来られて、『山口さん大変だったですね、お辛かったでしょう』と言ってくださいました」
その一言で山口さんの心は救われたと言います。
「本当にその時、その人にかける言葉がこんなに癒す力があるんだってことを体験しました」
献身的なケアに対して山口さんは、「安心を重ねてくれた」と振り返ります。
事件に遭うまで山口さんは、「頑張らない自分はダメだ」と思いながら生きてきたと言います














