「お前は俺の言うことを聞いていない」少年はいきなり乗客の首を刺した
山口さんは、少年の行動について「最初は冗談かと思った」と振り返ります。
(山口由美子さん)【画像④】
「少年は牛刀のような包丁を振りかざしていましたが、私は本気にしませんでした。『なんでこの子はこんなことを言っているんだろう』」
「少年はまだ中学生ぐらいの体格で、不思議に思って、その場を立たずに座っていたんですね」
そのあと、少年の「後ろに行け」という指示に従い、山口さんを含む乗客は車内の後方に移動しました。
「1人だけ居眠りをして、少年の言葉に気が付かない方がいて、(少年がその方に)気づいてその時、逆上しました」
「少年は、『お前は俺の言うことを聞いていない、後ろに下がっていない』そう言って、その方が後ろに下がられた途端、首を刺しました」
山口さんはその時初めて、少年は「本気だった」と気づいたと言います。しかし、まだ「本気で人を殺したい」とか「傷つけたい」と思って生きている子どもはいない、という思いがありました。
「今、少年の心は本来の心ではない、本来の心に戻ってほしい、そういう気持ちで必死で祈っていました」














