消えゆく天然記念物
1937年に国の天然記念物に指定された北海道犬。かつて「アイヌ犬」と呼ばれた時代もあったこの犬種は、北海道の厳しい自然のなかで育まれ、小さめの厚い耳と密集した被毛を持ちます。前胸部がたくましく発達し、重心が低く、ほかの中型日本犬よりがっちりした印象を与えます。
本来の飼育目的は、北海道に生息するヒグマなどの獣を狩ることでした。
「その昔、アイヌの人たちは狩りをする犬として使ってた。そういう犬なんだよね」と梅本さんは語ります。
しかし今、北海道犬は危機に瀕しています。1970年代の年間繁殖数は約7000匹でしたが、近年はわずか100匹ほどにとどまっています。天然記念物でありながら、その数は急速に減少し続けているのです。














