北海道犬の命をつなぐ—札幌の80歳の男性が守る"千歳系"の血統

「いました、いました!」。奥に小さく見える子犬たち。生まれて2日目の北海道犬は、まだ目も開いていません。手のひらにすっぽり収まる体重わずか300グラムほどの小さな命が、そこにありました。

今年生まれた北海道犬の子犬

札幌で北海道犬を育てて半世紀。梅本博さん(80)は、小さな命に触れながら「子犬に触ってると時間がすぐ経ってしまう」と話します。子犬を見つめる梅本さんの表情には、深い愛情と同時に、強い使命感が宿っていました。

生後間もない北海道犬の子犬を抱く梅本博さん