わずか1秒で“本人”が特定できる。そんな世界初の技術が公開されました。一方、“見抜くのが難しいディープフェイクの偽の顔”も急増していて、対策が急がれています。
立ち止まることなく、ゲートを通過していく人。よく見ると、なんと、高速で本人認証が行われています。きょう、NECが発表した世界初の生体認証技術です。距離が離れていても、頭を振ってみても、しっかりと個人を見分けます。ポイントは、顔と目の模様のダブルチェックだといいます。
NEC バイオメトリクス研究所 伊藤厚史ディレクター
「日本でも大型連休、外国人の観光客がたくさん来る時期になると、非常に入国審査の時間がかかる。そうした課題を解決できる技術だというふうに思う」
再来年の実用化を目指します。
一方、増加しているのがディープフェイクによる画像や動画です。著名人になりすまし、投資の勧誘などに悪用される事例が後を絶ちません。
記者
「一枚の顔写真さえあれば、その人になりすました動画をリアルタイムで生成することができます」
ネットから写真を1枚拾い、システムに読み込ませるだけ。瞬く間に、記者が出水アナウンサーになりすますことができました。
富士通データ&セキュリティ研究所 山本大シニアプロジェクトディレクター
「(画面に)映っている相手の顔が本当にその人なのか、信じられない時代になってきている」
富士通は独自のAIを使って“なりすまし”を見抜く技術を開発。しかし、世界に広がるディープフェイク対策には莫大なコストがかかり、1社だけで立ち向かうには限界があるといいます。そこで、業界や団体の垣根を越えてフェイク情報に立ち向かうための新たな組織を立ち上げました。
富士通データ&セキュリティ研究所 山本大シニアプロジェクトディレクター
「(この組織を通じて)共有しながら、ともに大きなフェイク・社会課題に立ち向かいたい」
進化し続ける技術の裏で広がる課題に、社会全体での取り組みが求められています。
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