“早期回復” 被害者遺族が感じるプレッシャー
――生徒の質問で「立ち直れていますか」とストレートな質問がありましたが、どのように受け止めましたか
▶渡邉明弘さん
「被害者支援の中でも、いろいろ言葉が2次被害を起こすみたいなことってあるんですけど”早期回復”という言葉をよく使われるんですよ。それってすごくプレッシャーがかかるし、被害に遭った人っていうのは、記憶が無くならない限り、そのことを忘れることはないし、その時の気持ちを忘れることってないんです」
「早期回復」「乗り越える」「立ち直る」という言葉は遺族にとってはプレッシャーになる。場合によっては2次被害を起こすこともあると、説明してくれました。
▶渡邉明弘さん
「まわりの人は、それで納得する言葉として使うんですけど、実際は乗り越えることってなくて、もう一生抱えて死ぬまで過ごすしかないので、これが自分の人生だって納得した状態から進み始めたのを周りのみんなが見て『あの人乗り越えたんだ』っていうだけで、当人としては乗り越えてはいないんですよ。一生乗り越えることはなくて、一緒に連れていくっていう感じですね」
同じイメージを共有することは難しいとわかっていても、渡邉さんは子どもたちに届くように言葉を紡いでいます。

▶渡邉明弘さん
「イメージ的にそれが質問してくれた子どもにも描けたらいいなと思っています。どんなに言葉を重ねても全く同じイメージを持つことってできないので、今回のように答えはするんですけど、子どもたちなりに『そういうことなのかな』ぐらいで認識してもらえたらいいなと思いました」














