1993年、埼玉県熊谷市周辺で起きた「埼玉愛犬家連続殺人事件」は、その残忍な手口と“遺体なき殺人”という異常さから、謎が謎を呼ぶミステリーとされました。しかし、加熱するかに見えた報道がピタリと止まったのは…。※一部敬称略(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

4人が立て続けに失踪

1993年、埼玉県熊谷市周辺で次々と人が消える、ということが起きました。
当初、ある者は「家出」またある者は「何らかの事故?」と思われていましたが、4人の失踪者には、共通の知人がいることが分かってきたのです。

熊谷市周辺で男女4人が次々といなくなっていました。

事件の中心にいたのは、ペットショップ「アフリカケンネル」を経営していた夫婦2人でした。

夫婦の苗字が違うのは、税金対策のための偽装離婚であるといわれています。

無関係に見えた4人に「熊谷のペットショップ」という接点が

最初の被害者が姿を消したのは1993年4月のことでした。
ペットの購入をめぐるトラブルを抱えていた男性が、帰宅途中に突然消息を絶ちます。
その後7月には暴力団関係者とその運転手の2人が、さらに8月には女性1人が行方不明となり、短期間に4人が立て続けに失踪する事態となりました。

最初の失踪者の遺族は「ペットショップに行く」という被害者の行動について証言していました。

いずれも熊谷のペットショップ「アフリカケンネル」と関わりがあったことから、捜査は次第に店舗経営者へと向かっていきます。