安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告の裁判が現在、奈良地裁で開かれています。取材している清水記者の報告です。

奈良地裁前です。午後1時すぎに法廷に現れた山上被告は、黒のタートルネックのシャツにカーキ色のワークパンツ姿でした。きょうは被告人質問がおこなわれていて、質問に対して時折考えこみながらも、少しかすれた声で淡々と答えているのが印象的でした。

被告人質問の3日目、安倍元総理を銃撃した事件当日の心境を問われた山上被告は、銃を発射する直前まで警備員が近くにいて撃てなかったところ、たまたま自転車や台車の人が通り、警備員の目がそれた瞬間、「偶然とは思えない何かと思った」と話しました。

また、検察側から「どこを狙いましたか」と問われ、「安倍元総理の上半身だったと思います」と述べ、2発撃った理由についても確実に命中させるため、と強い殺意をうかがわせるやり取りがありました。

また、撃った瞬間は「射撃の何かの本で、射撃の心得はなるべく無心で撃つこと、なるべく何も考えないようにしていた」とも話しました。

裁判はこの後、弁護側が呼んだ宗教学者の証人尋問が行われる予定です。被告人質問はあす、あさっても続けられる予定です。