道路や水辺で、突然目の前に出現する無数の小さな虫の群れ、通称「蚊柱(かばしら)」。思わず顔を背けたり、巻き込まれて不快な思いをしたりした経験がある人も多いのではないでしょうか。その奇妙な光景は、ユスリカという虫が、わずか数日の命を賭けてパートナーを探す、空中の「婚活パーティ会場」なのです。

道を歩いていると遭遇する無数の小さな虫の群れ。

突然顔の周りに集まってきたり、自転車に乗っているとぶつかって口や目の中に入ってきたり…そんな経験をした人もいるのではないでしょうか。

頭の周りに寄ってくることから「あたま虫」などともいわれる「蚊柱」の正体。

それは、「ユスリカ」と呼ばれる小さな虫の集まりだといいます。

害虫駆除などに詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

東洋産業 大野竜徳さん
「一言で言えば、『蚊柱』はユスリカたちの『婚活パーティの会場』です。蚊柱を作っているのはすべてオス。数十匹から数千匹ものオスたちが、ひしめき合いながら群れを形成し、そこを通りかかるメスを待ち受けているのです」

ユスリカの寿命はたったの数日。

成虫は非常に弱く、口も内臓も退化しているためエサを食べることができず、命が尽きる前にパートナーを探そうと必死になるといいます。

東洋産業 大野竜徳さん
「単独行動は危険なため、ユスリカは地形や水辺、光源といった目印があり、風のほとんどない静かな場所を選びます。安全かつ目立ちやすく、仲間を探しやすい『空のステージ』として、あの『蚊柱』を作り出しているのです」