飛行機内でマスクの着用を拒否し、客室乗務員にけがをさせて運航を妨げたなどの罪に問われた男に対し、大阪地裁は懲役2年 執行猶予4年の判決を言い渡しました。

 起訴状によりますと、元大学職員の奥野淳也被告(36)は、おととし9月に釧路発関西空港行きのピーチ・アビエーション機内で、客室乗務員にマスクを着けるよう求められたものの拒み、乗務員の腕をねじりあげるなどして軽いけがをさせるなどした罪に問われていました。

 これまでの裁判で奥野被告側は「乗務員の職務を妨げる安全阻害行為には当たらない。マスクをせずに意見を言う奥野被告への偏見や、異質な存在だとして奥野被告を排除することは許されるのか、背景も含めて判断してほしい」などと起訴内容を否認し、無罪を主張していました。一方、検察側は懲役4年を求刑していました。

 ▼検察は「我欲押し通し」と厳しく非難 奥野被告は「誇りに思う」と主張

 10月26日の論告求刑公判で、懲役4年を求刑した検察側は、以下のように述べました。

「マスク不着用に名を借りて我欲を押し通し、日本全国で乱暴狼藉に及んでいて、犯行は極めて悪質」「ピーチ・アビエーションの事件では模倣犯が既に出ていて、判決次第では今後も模倣犯が出てくることが危惧され、広く社会に害悪を与える」「36歳という年齢でも我欲を押し通し、社会内での改善更生も見込めず、保護観察も守れるとは思えない。刑務所で徹底的に矯正教育を受けるべき」

いっぽう奥野淳也被告は以下のような主張を重ねていました。
「マスクの着用は民間信仰から始まり、政府がお墨付きを与えたことで、いわば”国教”になった」「マスクを着用していないとまさに非国民とされ、人権を与えられないかのようになりました」「私は無罪です。無実です。2020年にピーチ機内でマスクをつけなかったことを大変誇りに思います。」