《野口健さんが訴える"釧路湿原の危機”》

――釧路に視察に来られた理由は?
野口健さん:8月ぐらいに釧路のメガソーラーの問題がいろいろなところで取り上げられました。私はメガソーラーの活動で日本中のいろいろな団体から「一度来てくれないか」「現状を知ってほしい」という問い合わせをすごく受けています。ただ、この10年間、いろいろなところへ行ってきましたが、なかなかメガソーラーの問題は一般的にみんなが関心を持ってくれないです。

メガソーラー問題について投稿を続ける野口健さんのX

その中で釧路の問題は、やはり「釧路湿原」というインパクトが大きかったんでしょう。非常に注目されていて、私もSNSで発信したところ、多くの人が「釧路湿原までメガソーラーにやられるんだ」という反応でした。ちょうど8月からヒマラヤに行っていたので、帰ってきたら来てみようということで今回につながりました。

現地を視察する野口健さん(10月2日 北海道釧路湿原周辺)

今回、現場の近くにも行ってきましたが、今この釧路で起きていることが日本中のいたるところで起きています。それを個別に伝えていくのも一つですが、変えていくという意味では難しい。ですから、釧路がこれだけ注目されているので、日本中の同じ問題を抱えているところに対して釧路からどう訴えていくか。

私の知る限り、メガソーラーの問題でこれだけ全国から注目され、環境省も声を上げ、文部科学大臣まで言及されるというのは過去に例がありません。これで止めることができなければ、もう無理なんじゃないかと思っています。

今回の騒動は、もちろん釧路湿原を守るというのが大前提ですが、それだけではないと思っています。法整備も含めて、本当にこのままでいいのかと。全てのメガソーラーがダメと言っているわけではなく、設置する場所や条件の問題です。また、地主や業者がコロコロ変わっていくと、最終的に何かが起きた時に、20~30年後のメガソーラーの寿命が来た時に、いずれちゃんと処理しなければならない。業者が変わる、会社をたたむといったときに、大量に残るソーラーパネルとバッテリーを誰が責任を持って回収するのかという課題もあります。

これだけ注目が集まっている今回、釧路から訴えていき、最終的に国が法整備をする。同時に、国内の各自治体で条例を立ち上げるということをやっていかなければいけない。私の立場としては、釧路湿原というところから広げて訴えていきたいと思っています。