静岡市長選への出馬を断念した現職の田辺信宏市長は12月13日の定例会見の中で、3期12年を振り返りました。「出処進退は進むより退く時の方が難しい」と悩んだ末の決断だったと述べました。

13日の定例会見の冒頭で、静岡市歴史博物館が2023年1月13日にグランドオープンすることを発表した田辺市長。

<静岡市 田辺信宏市長>
「この歴史博物館は1980年代から昭和・平成・令和と静岡市にとっての悲願でした。なんとか、5代に渡る市長のリレーの中で、来月グランドオープンを迎えることは歴史の責任の一端を担えることができたかなと安堵しております」

紆余曲折の末に、オープンにこぎつけた歴史博物館への思いを感慨深そうに述べました。

<静岡市 田辺信宏市長>
「熟慮に熟慮を重ねた結果、私は次期市長選挙に出馬いたしません」

あの不出馬表明から10日あまりたった13日、あらためて出馬断念の理由を聞かれると。

<静岡市 田辺信宏市長>
「歴史博物館がオープンした。海洋文化施設も事業者が決まった、プロ野球(創設)もヤマ場を越えた。3次総に一定の目途がついたことが今回の大きな決断につながっている」

台風15号の災害対応に責任を感じたことも理由のひとつとしながらも、自らがけん引してきた第3次総合計画の成果を強調しました。

<静岡市 田辺信宏市長>
「ずいぶん古典とも対話をしました。先人が残してくれた言葉もなるほどなと思ったんですが…、やはり出処進退というのは進むより退く時の方が難しいですね」

田辺市長は2023年4月の市長選で特定の候補者を支援するかどうかについては明かしませんでしたが、「次の市長は安定した市政運営を期待できる人にお願いしたい」と述べました。