少額投資非課税制度(NISA)の生涯の投資上限が1800万円に引き上げられる方向で最終調整が進められています。NISAの抜本的拡充、制度の恒久化によるメリットは?実際のモデルケースを元に考えます。
■税制改正の目玉・NISA「年金制度への不安」で若い世代の口座数増加
ホラン千秋キャスター:
今、注目されているNISA。投資できる限度額が大幅に増えそうです。
井上貴博キャスター:
老後の備えという考え方だと、この金額は少ないという意見もあるようですが、拡大されると確実にメリットはありそうです。
NISAの拡充で生涯の投資上限は1800万。この方向で話が進んでいきそうです。

▼株式などへの投資
通常、利益配当に対して約20%の課税。
▼少額投資非課税制度(NISA)
少額、一定の金額内であれば利益や配当に対して課税されませんという制度。利益10万円の場合だと、20%課税されますので受け取り額が8万円になる通常のケースと比較すると、NISAはそのまま10万円受け取ることができます。

特に将来に不安を抱えている若い世代の口座数が増えています。20代~30代は、やはり2018年以降ぐぐっと伸びて424万口座。私もこの年代に入りますが、やはり声を聞きますと「年金にはもう頼っていられない」というところも大きいようです。あとは「老後に不安。ギリギリな生活より自由なことをしたい」。でも老後ということを考えると、今回の引き上げだけでは老後は少し心もとないというところの声も聞こえてきました。
金融庁のホームページは誰でも見られるものですが、NISAの資産運用シミュレーションができるページがあります。

毎月の積み立てを2万円に設定。想定利回りが年率3%とした場合のモデルケースです。1年目、3年目、6年目、9年目、10年目と行きまして、10年目になりますと、毎月2万積み立ててますので、積立額は240万円。そして年率3%の利回りと考えると39万5000円になります。

これが通常の場合ですと、2割課税されますので約8万円は税金に持っていかれる。一方で、NISAであれば非課税ですので40万円弱をそのまま受け取ることができるというわけです。
もう20年目には、運用収益が176万6000円になります。通常は約35.9万円の税金がかかるわけですが、元本480万円をNISAであればこのまま受け取ることができます。
自民党からは、こんな声が上がっています。

宮沢洋一税制調査会長
「定期的に積み立てて長期保有していれば、経済の成長とともに増えていく。おそらく一石を投じる制度になるんだろう」